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スタイリスト村山佳世子さんが提案
大人こそお洒落に〝嗜 ( たしな ) み〟を

「大人になればなるほど、変な貫禄が出てきたり、
妙に頑張っている感が気になってくる人も多いはず。
でも幾つになっても、トレンドアイテムに飛びついたり、
ちょっと挑戦かなと思うアイテムにもどんどん挑んで欲しい。
同じようなアイテムでも、選び方や合わせ方を
意識するだけで全然違って見える。
色々な経験値を踏んだ大人だから分かる
お洒落の〝嗜み〟って、あると思うのです」。

職人派スタイリストの村山佳世子さんがインタビューの中で
語って下さった言葉がとても印象的だったお洒落の〝嗜み〟。
その極意を2回にわたって渡ってお届けします。

Episode 02

大人になった今、
改めてリネン素材に惹かれます

私自身もシンプルで飽きのこないベーシックアイテムが好きなのですが、年を重ねるごとに素材感の選びが重要だなと感じるようになりました。ここ数年でますます着ていて心地がいいと思うものをよく手に取るように。
冬ならカシミア、そしてこれからの季節なら断然リネン素材に惹かれます。

Style 01

圧倒的に合わせやすい、まずはシャツから。

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リネンはコットンとはまたひと味違う、風合いが豊かなとところも大人を魅力的に見せてくれる素材です。着ていくうちに、洗いを重ねていくうちに、どんどんと体 に馴染んでくる。いい意味でシワ感も味わいに。程よく透け感もあるので、見た目も着心地も涼やかで心地いい。
ワントーンスタイルも私が大好きなスタイルですが、そのひとアイテムにリネン素材を取り入れるだけで、着こなし全体に奥行きが生まれます。

リネンアイテムの中でも私が一番多く持っているのはシャツです。ボタンを留めて着たり、あえて前を開けて羽織りにしたり。袖のまくり方ひとつでも、ニュアンスが足されて趣のある佇まいに。

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リネンのシャツは、それ自体のリラクシーなムードも相まって、スタイルにほんの少し抜け感を出したいときにもベスト。大人になると柄物が時にとても迫力満点に見えることがあります。私自身もそんなに得意ではないのですが、時に無性に着たくなることも。
大柄のボタニカルプリントのパンツもこうやってブラウン系に色のトーンを揃えつつ、サラッとリネンのシャツを羽織れば、シックで大人っぽい雰囲気に。

column

柄物もサマードレスなら取り入れやすい

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大胆なフラワープリントも、夏のサマードレスなら取り入れやすいのでオススメです。これは3段の切り替えになったティアードシルエットで量感もたっぷり。トルコ製という大花のプリントは、カラフルながらどこか知的で上品。
サラリと着るだけでパッと華やかな印象になるワンピースは、
まさに夏の醍醐味。一枚持っておくと重宝すること間違いなしです。

Style 02

挑戦的スタイルも、
素材感を重視したら大人も取り入れやすい

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ちょっと冒険かな?と思うアイテムや、流行りの着こなしにも、幾つになっても挑戦したいもの。そういう時にこそ、素材感の選びが大事だなと思います。身体のラインを拾いすぎても、安っぽく見えても、大人には難しいから。例えばロン グワンピースにロングシャツを重ねたロング × ロングのレイヤードも、よく見かけるものの、着こなしの難易度はちょっと高め。これは再生ポリエステルを使用したいわゆる SDGS 素材。リネンタッチの風合いだから、その共布同士をセットアップのように重ねたら、まとまり感もこなれ感もひとしおです。

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そもそものセットアップ提案をされているシャツとパンツのような王道アイテム以外にも、共布でさまざまなアイテムが作られるケースが増えているような気が します。私もパンツとストールだったり、ワンピースとバッグだったり、つい自分的セットとして揃えて買いがち。でも普段は単品使いしていても、いざという時にセットで使うと、ぐっとお洒落感がアップ。まさに裏技だと思っています。

column

今年大注目しているのはジレセットアップ

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今年はジレ自体も大豊作。今までのロングタイプだけでなく、ジャケットの延長線で着られるショートタイプも。そしてどうせならセットアップで揃えておくのがお すすめです。このタイプライター素材のジレは、ラペルのないスッキリした汎用性の高いデザイン。やや太めなパンツも今年っぽい。きちんと感が欲しいときも、ラフに着崩したいときも、合わせる小物次第でいろいろな雰囲気に着られそうです。

Profile

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村山佳世子さん

集英社の女性誌を中心に広告、カタログなど幅広く活躍する人気スタイリスト。長年ファッション界でスタイルを牽引し続ける。高い審美眼と程よく旬味があるスタイリングに、スタッフやモデルからも絶大な支持を集める。著書「一生もののおしゃれが身につく 10 のルール 100 のコーディネート」(集英社)。
インスタグラム @stylist_murayama_kayoko

STAFF

STYLING / KAYOKO MURAKAMI

PHOTO / YUTARO YAMANE

EDIT / YUKIKO TSUKADA